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2009年2月17日 (火)

「家」の五つの面を思って家づくりを進めたらいいでしょう。

家づくりをはじめるときには何を真っ先に考えるでしょうか。そもそも家づくりをしたいと思うのはどういう気持ちでしょうか。家づくりはひょっとしたら人の本能かもしれません。では、そもそも「家」とはなんでしょうか。
ここでは『今和次郎集第5巻生活学』所収の「住生活」をまとめることではっきりさせましょう。

「家」はいうまでもなく生活の基地です。
基地から出て活動し,心身を休め,またその中で様々な出来事が起こる場です。

「家」
  1 休養
  2 社交
  3 事務・家政
  4 生産
  5 娯楽・教養
という,五つの面から考えられます。
 
 
「休養」という面から言えば,

安心して心身を休める場が「家」です。
家が不快で帰宅しても休めないようでは,
やはり「家」とは呼べません。
帰宅し家族の顔を見て、
家人の望む快適な場で十分な休養を得て充実した明日は望めます。
 
 
「社交」という面では,

招く側が意識しても,気軽に招いても,
いつまでも居たいような空間と時間の場が「家」です。
狭すぎても贅沢すぎても落ち着かないでしょう。
生活者と「家」が渾然一体のものが最も素晴らしい。
 
 
「事務・家政」という面から言えば,

育児,食事の用意,洗濯,衣類の整理などを行いやすいように
考慮されて初めて「家」と呼べます。
 
 
「生産」という面では,

「家」は食事や日常の生活だけではなく、
仕事をも内包できるものであるべきではないでしょうか。
子供たちは仕事をしている両親を見て尊敬の念を抱くでしょう。
ずっと以前の住宅では近くで働いている大人を見て子供は育っていました。
 
 
「娯楽・教養」という面から言えば,

外で立派な仕事と交遊があっても
帰宅してからは,さっぱりというのはどうでしょうか。
やはり最良の生活とは言えないと思います。
「家」の中で家族それぞれの夢や希望が素直に現れて,
日々その活動があり,個人の確立と幸せが達成されるのが
最も望ましいと思います。
 
 
以上の五つのことが「家」です。

家づくりの現場ではいろんな場面が出来上ます。
例えば、
今、住んでいる家が愉快ではないから。
もっと快適にしたい。
自分の好む場をつくってそこに住みこみたい。
と、いろんな思いで家づくりが始まります。
「家」をつくりたいとの思いはどれも同じです。
しかも、
家」の五つの面を住む人にまとわせることが大切です。
気持ちの良い服で、
寒いときには暖かくなるように、
生活に密着した服で、
なおかつ自己表現もしたい、
と思うのと同じです。

こんな思いを作り手の立場から提案したり、
希望を形にしたり、
たまには、それはダメです、
などと、家づくりのお手伝いをするのが私の家づくりです。
 
 
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