「風神雷神図」をみながら家づくりでも楽しんじゃえ!と思うのです。
上野の国立博物館で大琳派展が開催中です。今日、尾形光琳の風神雷神図を目当てに行ってきました。
左はポストカードのスキャン画像です。
行ってみて気づいたのですが、屏風や襖などの日本建築とは切り離せないものが一杯ありました。息をのみながら感動したり、その裏で建築のことを思ったりして楽しんできました。
風神雷神図は屏風に書かれた絵です。
本来は真っ正面から見るためのものではないようで、
展示品も折り曲げてたててあります。
下はポストカードを屏風のように切り出し折り曲げてデジカメで撮ったものです。
こんなふうに正面から見るより斜めから見る方がぐっと迫力があります。
手前の雷神に答えるように風神が力んでいるようです。
どちらか一方では成り立ちづらいような感じですね。
正面からみる風神雷神は単なる図案かもしれません。
屏風という現実の場においてみる風神雷神は
上の写真のように眺めたのでは思います。
前に立って展示品を横から眺めた時の方がビリビリきました。
ついつい畳の書院にある屏風絵を想像してしまっています。
屏風は日本建築の調度品で畳の広間を仕切ったり、
屏風でその前の空間を特徴づけたりする仕掛けです。
悪く言えばなくても良いし、仕切るだけならなんでも良いです。
でも、やっぱり絵ができてくるんですね。
これも家づくりの宿命というか、本願といいますか、できうる限り楽しくしたい。屏風絵、ふすま絵の心は、意外とこんなところにあるのかもしれません。
他の例ではこんなものがあります。
こちらは俵屋宗達による板戸に描いてある絵です。
今風にいえば室内のドアや戸に絵が描いてあるのです。
しかも、こんなビックリするデザインで描いてあります。
なんかこう、ゆったりしてりというか、大らかといいますか、
なんでも良いから室内のドアや壁に絵を描いてしまえ!って感じませんか。
傷が少しでもついていたら手抜きといわれたり、クレームになったり、とは
かなり距離を置いてますね。
国宝や重要文化財とは普通の家とは違うのだからと、言いたくもなりますが、
でも、今も昔も住むという事への執着は変わらないはずです。
むしろ現代の方が豪華なお屋敷よりも寒くないだろうし、暑ければクーラーもあります。お湯もすぐに出てきます。ずっと暮らしやすい筈です。
住まいへの思いは変わらないのだから、
もっともっと楽しめないかなと思います。
そのために苦労したり衝突があったりするのですがね。
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コメント
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私もこちら、見たいなと思ってました。
仕切る、ということ一つにしてもそこに芸術性を求めるあたりが日本らしいですよねぇ。
行為を芸術に昇華する、ことが私たちのDNAに流れているのかなと思います。
投稿: ビルダーナース | 2008年11月 3日 (月) 14時26分
ビルダーナースさん こんばんは
もっと日本って誇っても良いと思います。
いろんな素敵なものがいっぱいありますよね。
これから本当のものが完成していくだと思うし、
本物を残していけるように力を使いたいです。
投稿: tatsuro | 2008年11月 3日 (月) 22時19分