コンシェルジュの活躍で家は作られます
コンシェルジュってあります。土曜・日曜日はお客さんと必ずと言っていいほどお話や打合せをします。
このお話の中で家の作り手はコンシェルジュかもしれません。
コンシェルジュをウィキペディアで調べると
《コンシエルジュ(concierge)とはサービス業の一つ。》
《フランス語では、コンシエルジュは本来、
「大きな建物、重要な建物の門番」という意味をもつが、
現在ではそこから派生して、ホテルの宿泊客のあらゆる要望、
案内に対応する「総合世話係」「よろず相談承り係」
というような職務を担う人の職名として使われている。
宿泊客のあらゆる要望に応える事を
そのモットーとしていることもあり、
「(宿泊客の要望に対して)決してNOとは言わない」
との異名を持つ。
日本のホテルで「コンシエルジュ」の名を冠したサービスを
最初に導入したのは、ホテル西洋銀座であるが、
帝国ホテルやホテルオークラにはコンシエルジュ、も
しくはそれに相当する担当者が存在していた。》
と、あります。
家作りにおいて違うところは「決してNOとは言わない」ところかな。NOもいいます。
「総合世話係」「よろず相談承り係」といえる作り手ですね。
お客さんの要望は多岐にわたり、
なかには要望のそれぞれが矛盾していることもあります。
でもまずはお客さんの要望を聞くところからはじまります。
要望をいかに聞き出すかが注文住宅の鍵となるようです。
要望を聞かずに家をつくるとすれば、答えは二つあります。
一つは作り手が芸術家で施主はパトロンといった関係の中で、
作り手の芸術性を前面に押し出す形です。
もう一方は、建て売りやマンションに代表されるように出来合いの家を購入する形です。カタログから家の間取りや形を選ぶのもこれの一つですかね。
注文住宅はこれら二つとは違います。
施主の要望をまずは聞く、最初に施主の希望があるのが注文住宅です。
施主の側から言えば、自分たちの要望を聞いてもらえて、要求する性能や雰囲気を叶えてくれる作り手を選んでいくことになります。
要望と要求する性能。この二つを追い求めているのが家作りの現場です。
性能のみを実現するなら、出来上がった家やカタログ化されたものから選ぶのが最も手っ取り早いですね。
決められたとおりに家を作れば目の前にある家と同じ性能の商品が手に入ります。
しかしながら、このような家作りだけが世の中にあるのではありません。
性能をシステム化された方法とチームによって、作られるのも注文住宅なのですが、この部分だけが醍醐味ではないようです。
あそこに頼めば自然素材で安全な家を作ってもらえる。
頑丈な家を作ってもらえる。
夏涼しく冬は暖かい家を実現できる。
この事どれも大変に大事なことです。
これらのことを律儀に真面目にこなしているのが優れた作り手といっても良いでしょう。
この律儀さを作る側はアピールするし、求める側は注意深く見ています。その結果作り手を選択していく道筋をたどります。
ここで話が終わらないのが今の家作りです。
情報が溢れ、建築主の要望もこだわりも千差万別です。ほんとにいろいろです。
ここに来てコンシェルジュの登場です。
ここではコンシェルジュが家の作り手となるわけです。
例えば寒くない家をと要望された場合には
いくつかの提案があります。
その提案にいたる前提の条件も存在するわけで、
その前提となるものは事前にお話の中で察知するか、
質問をして何処に眼目があるかを理解しないといけません。
石油製品とかエアコンの風が嫌いだというお客さんに、
ビニルで隙間を塞ぎ石油製品の外断熱をすれば家の中はエアコン一台で暖かいです。
と提案しても聞き入れてもらえませんよね。
優秀なコンシェルジュが登場するときです。
自然材料による断熱材により、他にも無垢の木材の蓄熱性や断熱性能を考慮して家全体のバランスとして性能を確保する道もあります。
暖房器具の選定にしてもエアコンのみに限らずに提案があるはずですね。
夏を涼しくという場合も同じで、環境派の人に「高気密高断熱にして全館を冷房すれば」というのは、あり得ません。
コンシェルジュならば、
軒を出したり、庭を緑化して照り返しを抑え、緑で冷やされた風を家に呼び込みましょう。
夜間には雨戸を閉め切るかもしれませんが、
風を通す羽の動く雨戸を入れて涼しくしましょう。
もちろん屋根からの暑さは断熱材と通気などの仕組みによって遮られていないといけませんがね。
といった提案をするべきです。
提案をせずにNOというときは、どうなんでしょうか。
自分たちの理想から生まれる前提条件を無視して、環境を考慮してるのに、ビニルを使って要求を達成しようという場合には、
はっきりとそれは出来ませんと言うようにしています。
40坪の敷地に1階が45坪の広さを求めたりとか、こんな場合もお断りします。
物理的に不可能な要求と、
家作りの出発点から大きくはずれるような要望にたいしてはNOですね。
とはいえ、代案は提示するようにしています。
こんなことを土曜・日曜はやっています。
やっぱりコンシェルジュでしょうか。
なんて偉そうなこと書いてますが
「今日のお客さんは言ってることが難しくって」
などと、晩飯のときに言おうものなら
「なにいってんの。その難しいことを実現してあげるのが
あんたの仕事でしょ」
「難しくて不可能なら
どんなふうに出来ないのか解らせるのも
あんたの仕事でしょ」
と、妻にとっちめられる「コンシェルジュ」たつろうです。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
コンシェルジュって言葉も、ちまたで溢れてきました。
本来の意味でないコンシェルジュもたくさんありますから、言葉の重みを感じてほしいですね。
tatsuroさんは、十分だと思います。
いい奥さんですね。
投稿: gonsuke | 2008年7月13日 (日) 11時18分
奥様が一番のコンシェルジュ??
喝を入れるべきときに入れられる奥様って素晴らしい。
そうやってお互い成長し合えるといいですよね。
投稿: ビルダーナース | 2008年7月13日 (日) 18時31分
gonsukeさん こんばんは
妻に感謝です。
今日より明日が良くなるように、お客さんへの提案がもっと出来るように頑張ります。
それもこれもパートナーがいるからですね。
投稿: tatsuro | 2008年7月13日 (日) 22時47分
ビルダーナースさん こんばんは
妻はコンシェルジュというより鬼コーチですかな。
鬼に睨まれる正義の味方「ももたろう」でしょうか。
投稿: tatsuro | 2008年7月13日 (日) 22時48分