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2008年4月 5日 (土)

漆喰とシラスと土

今朝、工事中の現場に行ってきました。
今、内部の左官工事が佳境なのです。
そこで感じて思ったことがあります。

室内の壁には、建築主のたっての希望で
シラスを天日干しにした「中霧島壁」を塗っています。

 
左官職人が壁を塗るとき、その材料によって、
まさしく土、もしくは土を塗ったような感じになるには、
「材料をどれだけ人の手で加工しているか」
にかかっているのではと、感じました。

たくさんの人の手を加えて作られた左官材・塗り壁材は、
ほんとに綺麗に塗れます。

表面を滑らかに、綺麗にぬれる様に、
壁としての美しさと機能を
満足させるように作られたものの一つが漆喰です。

漆喰の原料は石灰岩ですが、
これに塩を加えて高温で焼いて生石灰をつくり、
水を加えて消石灰とした後に寝かし、
あるいは藁を混ぜ込んだ上で
何年か寝かしこんだものが左官用の石灰です。

この石灰に海藻糊とスサを加えたものが漆喰です。

実際に塗る前のこんな手間隙をかけた漆喰を塗ると
塗るときも手間隙をかけるのですが、
塗りあがった漆喰の壁は、惚れ惚れするほど綺麗です。
 
 
ところが、今日は、
これとはまた違った塗り壁もあるのだなと、
気づかされました。

先に書いたように今朝見てきた「中霧島壁」は
土のようなのです。
土をざっくりと塗ったような、素朴な印象を受けました。

中霧島壁は漆喰に比べたら、
左官材にするための調整という手間がかかっていません。

南九州一帯に多くある土、大地にあるシラスを採取し、
ビニルハウスの中で天日干しにし
硬化させるものとしての石膏を加え、スサを混ぜています。

天日干しのするときは人の手で撹拌したり動かしたり
この意味では人の手が加わってるのですが。
いづれにしても原料であるシラスを高温で焼いたりはしていません。

こんな材料で塗りあがった壁を見たのですが
土のような壁でした。

土そのものと言えば、大げさになるのですが、
漆喰を見たときの感じとは違い、
ふんわりざっくりとしてる。

土にちかいのかなあ、と思い、
こんな壁もあるのだなあ、と感じたのです。
 
 
漆喰も自然素材だと思っていたのですけれど、
原料をエネルギーを使って焼かないシラスの壁も
自然の材料だったんですね。

土を焼いたり水を加えての反応を行わずに
より、元からある土をそのままの状態で使えば
土を塗ったような素朴な壁になるのでしょうか。
 
 
と、今日は一つ学び感じました。
 
 
 
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コメント

土壁なつかしいですね。
どんな具合に仕上がるのか、また写真をUPしてください。

gonsukeさん こんばんは

土の感触を伝えるのは至難かもしれません。
でも
何かを伝えたいです。
何かを伝えたくて、きっと毎日生きてるんでしょうか。

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