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2008年1月11日 (金)

二酸化炭素の貯蔵_エコな家その2

エコな家を求めていくと、省エネがどうしても必要です。
家を作り維持するエネルギーをより少なくするのが省エネです。

そのエネルギーをもう少し細かく分けると
 家を作る素材・材料を作るときのエネルギー。
 材料の運搬も含めた新築工事に使うエネルギー。
 家を維持し生活するときのエネルギー。
があります。

それぞれをより小さくするのが省エネです。

これとは別に
「カーボンニュートラル」という考え方があります。

「カーボンニュートラル」は
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると

『カーボンニュートラル(Carbon Neutral)は、
環境化学の用語で、直訳すれば、
カーボンは炭素、ニュートラルは中立なので
「環境中の炭素循環量に対して中立」となる。
何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に
排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が
同じ量である、という概念。』

です。

なぜエコとか省エネを執拗に考えたり
人々が思ったり行動するのは、
地球温暖化に抗するためです。

地球温暖化の原因は二酸化炭素であり
「カーボンニュートラル」でいう排出する炭素。

二酸化炭素を吸収して炭素として貯蔵しているのが樹木です。
人の呼吸を含めた生活によって排出される二酸化炭素を吸収してくれています。


では
樹木はどれくらいの二酸化炭素を吸収しているのでしょうか。
われわれの家でよく使う杉を例にして考えてみましょう。
このため、杉の枝葉や根も含めたバイオマスを推定し
ここから炭素の含有量を導いてみましょう。
 
 
「樹齢80年、樹高20m、木の直径が30cmの杉の立木」
を例にします。
 
 
最初にこの杉の木の材積(体積)を推定しましょう。

材積を得るのに
林分形数法という方法によります。
 V=f*g*h
   (V:材積、f:形数、g:胸高断面積、h:樹高)
このf:係数は おおむね0.5です。細かく言えば樹高20m、杉の場合は0.46です。
ここでは0.5で考えましょう。

0.5×0.15×0.15×3.14×20 = 0.7
この杉の材積は0.7立方メートルですね。
 
 
次に木には、幹のほかに枝葉や根があります。
幹から枝葉が拡大してるから、「拡大係数」というのだと思うのですが、
樹齢21年以上の人工林における杉の拡大係数が1.23。
根っこは地上部(枝葉を含めて)との比率で0.25です。

よってこの杉の材積(バイオマス)は
0.7×1.23×(1+0.25) = 0.92立方メートル
 
 
ここまでで杉全部の体積が出ました。
今度はこの体積のなかにどれだけ炭素があるかです。
 
 
乾燥状態での炭素の重量は、材の乾燥重量×0.5です。
これを「炭素含有率」といいます。

材積に密度を掛けて炭層含有率を掛ければ炭素の重量がわかります。
ここで杉の密度は 314kg/立方メートル

よってこの杉の炭素含有量は
0.92×0.314×0.5 = 0.14(t)

この炭素は木の中では炭素ですが空気中にいた頃は二酸化炭素ですね。
炭素の分子量が 12、二酸化炭素が44ですから

12:44 = 0.14:二酸化炭素の量
 
二酸化炭素は
0.14×44/12 = 0.5(t)

例にした80年、20mの杉は
0.5tの二酸化炭素を蓄えていることになります。
 
 
これで終わらず。。。。続きます。
今日はこれまで。

 
 
 
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コメント

なかなか面白い話題ですね。
私も以前樹木のCO2摂取と炭素量を考えた事がありました。
一般の方には難しい話題ですが、切迫した地球環境のため、その辺を紐解いてください。
楽しみにしています。

さて、私もtatsuroさんに刺激され’エコ’について考えてみることにしました。
違う視点でですが・・

宮崎さん こんにちは

今日もecoについて考えてみたので、読んで見てください。

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