3年の二酸化炭素_エコな家その3
先日の二酸化炭素の貯蔵_エコな家その2では、
杉の立木に貯蔵されている二酸化炭素を求めました。
もっと具体的に
一軒の木の家には
どれ位の二酸化炭素が貯蔵されているのでしょうか。
今日はここを考えてみます。
小屋も化粧の35坪の二階建て「自然回帰の家」の木の家を例に、
考えます。
まずはこの家の木材の材積(体積)は
構造材 16立方メートル
仕上げ材 4立方メートル
下地材 3.3立方メートル
造作材 2.4立方メートル
合計 25.7立方メートル
です。
この材積から炭素含有量を求めます。
今回は枝葉や根っこは含みませんから
炭素の量 = 材積×密度×炭素含有率 です。
25.7×0.31×0.5 = 3.98(トン)
これを二酸化炭素にすると
3.98×44/12 = 14.6(トン)
家に14.6トンの二酸化炭素が貯蔵されている事がわかりました。
ではこの「14.6トン」とはどれ位の量でしょうか。
電気やガスの4人以上の一世帯の使っている量は
「京都議定書の削減目標に向けての国民行動の目安」によると
2002年度の関東での月平均実績で
電力 2,100MJ(580kW/h)※
都市ガス 2,500MJ
2010年度の削減後の月平均目安は
電力 1,900MJ(530kW/h)※
都市ガス 2,300MJ
※ここで電力一次換算 3.6MJを1kW/hとしています。
それぞれの消費からの二酸化炭素発生量は
環境省からの
「地球温暖化対策の推進に関する法律施工令第三条
排出係数一覧表」
による
電力は 1kW/hにつき0.555kgの二酸化炭素
都市ガスは 1MJにつき0.0138kgの炭素
を用いて発生量を求めます。
この時、炭素の量を、
二酸化炭素の量にするには 44/12を乗じます。
ちなみに都市ガス(東京ガス)の熱量は46.05MJ/立方メートルです。
では
2002年と2010年度の二酸化炭素発生量はどうなるでしょうか。
2002年度 二酸化炭素発生量
電気から 580×0.555 = 321.9(kg)
都市ガスから 2,500×0.0138×44/12 = 126.5(kg)
合計 448.4kg/月
2010年度の目安の二酸化炭素発生量
電気から 530×0.555 = 294.2(kg)
都市ガスから 2,300×0.0138×44/12 = 116.4(kg)
合計 410.6kg/月
家に蓄えられている二酸化炭素を
2002年と2010年での発生量で除すると
14,600kg ÷ (448.4×12) = 2.7(年)
14,600kg ÷ (410.6×12) = 3.0(年)
となります。
この結果から
木の家では、
約3年くらいの電気とガス利用による二酸化炭素を、
蓄えていることになります。
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