建築をするのは何のため『シナン』という本も買いました。
今日は家を作るとはどういう事か
もっと大きく考えて建築を作るとはどういう事かを考える一日です。
工務店として家を作るとは、「間断なく仕事が続くこと」とも言えます。
工務店は多くの職人とスタッフによって成り立ちますから、
一人だけの思いのみにとどまりません。
職人とスタッフの生活も絡んでるんですね。
ということは常に仕事をつくる。このことは極めて重要なのです。
他の方向から眺めると、一糸乱れず良い仕事をするから、お客さんが吸い寄せられる、との思いもあるでしょう。
別の作り手からすれば、デザインに優れた美しい家や建築を作ること。
家具の造作も手を抜かずに完璧にして、光り輝くような建築をとの姿勢もあります。細部さえも完璧にデザインする。
「美しい家」とは別の感じ方もあります。
そこに訪れる人に親近感や優しさがその家の価値との思い方もあります。
なるべく素朴で、他を圧倒しない。優しい感じのもの。
目に見える範囲を超えて、
地球環境に負荷をかけない。これを第一にする方向もあります。
人が地球上で生活を営むからには、少なからず環境に影響を与えます。
この事実を思いながら、
その建築行為と、施設や家での生活から起こってしまう
地球への打撃を減らすとの思いです。
どれも大事です。
できることならば全てを実現したいものです。
しかし上の事柄とは全く違う取り組み方もあるのですね。
帰宅途中、電車に乗る前に『シナン』という文庫を買いました。
タイトルの「シナン」とは16世紀オスマントルコ帝国の宮廷建築家の名前です。
この建築家シナンはイスラムの神を、ひいてはこの世界の原理を形にしようしたようです。
ここでの建築行為は文庫下巻の帯にある「かたちなき神を空間をもって描こうとした」なのですね。
帰りの電車で読み始めたら誠に面白い。
引き込まれるように読んでしまいます。
最初の数ページから、体や思想の存在とはなんだろうかとの、
シナンの問いかけから始まります。
建築家シナンの建築は、ズバリ「存在の意味」のようです。
まだ冒頭部分の読書ですが、先が楽しみです。
話が哲学のようになりましたが、
何れにしても建築行為はなんなのだろうって事です。
究極のところ、喜んでほしいです。
欲望を満足させた家だから喜ぶのではなく
じんわりと、ホッとするように、ああぁ〜いいなあ
と、喜びがあると良いですよね。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ヨーロッパ系のこういった物語の本は見かけますが、イスラム系はあんまりないですよねぇ。
世界3大宗教のうちの一つですし、根底にある文化や民族を知る上でも勉強になりそうです。
私も読んでみようっと。
それと忘年会でお会いできるの楽しみにしています!
投稿: ビルダーナース | 2007年11月28日 (水) 12時02分
相変わらず鋭い視点で物事の本質を追求されていますね。
形に表れるものは、思想や人格が現れたと表現することもできますよね。
神殿などは、神に対する思想と、神格が現れる訳ですから自分のエゴで歪めちゃいけない。
そんな信仰心が必要になるのでしょうね。
むむぅ。
難しいテーマは大好きです。
投稿: sugioka | 2007年11月28日 (水) 19時02分
ビルダーナースさん こんばんは
忘年会を楽しみにしています。
建築物の洗練性としてはイスラム建築が抜きんでているように思います。
投稿: tatsuro | 2007年11月28日 (水) 20時09分
sugiokaさん こんばんは
今日は休みなので読書。
眠くなってお昼寝。
でした。
投稿: tatsuro | 2007年11月28日 (水) 20時11分