「会所」という建築様式
kumaotokoさんのブログ・会所とリビング
に,懐かしさを覚える記事が書いてありました。
建築史の用語なのですが,
「会所」という建築様式の内容でした。
そのkumaotokoさんのブログにはこうありました。
<日本建築は「会所」と呼ばれる部屋、もしくは独立した建物がある。
<鎌倉期に発生し、客をもてなすためのものだ。
<初めは一つの部屋として設けられ、
<次第に会所建築とも呼ばれる独立した建築物としてつくられるようになる。
<「会所」が発生した理由としては、鎌倉期の封建社会の仕組みが大きいと言える。
<封建社会では自分より目上の人をもてなすということは非常に重要な行為である。
<そうして、生活の場とは切り離した、
<もてなしの場としての「会所」をつくる必要性が出てきたのである
これを読んだ私はこの写真を思い出して,
スライドボックスから昔のフィルムを取り出しました。
これは三井寺の光浄院客殿です。
1601年(慶長6年)の建立。ごく初期の書院造りで,
会所建築から移行しようとしている段階の客殿です。
式台付近の屋根は柔らかい曲線です。
しかしこの建物はまるで古武士を見るかのように力強い。
開口部の建具がほぼ正方形です。
内部の襖も正方形に近いプロポーションでした。
まだ床の間が発生する前の押板があって,幅は2間。奥行きは1尺5寸くらい。
良く見る上段の床とは違っています。
広縁も深くて,古式という言葉がピッタリのようでした。
時代が新しくなる前夜の建築という感じです。
室内の写真がないのが残念です。非公開で事前の許可が必要な建物ですから。
見学させてもらった時,写真不可だったんです。
もう一度,行って,
薄らいだ記憶をもう一度焼きつけたくなりました。
今度いったら別の感想が沸き上がるかもしれませんね。
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コメント
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なんと 紹介いただき身に余る光栄でございます。
光浄院客殿とはなんともいいものを引き合いに出していただきました。
さすがですね。
光浄院客殿は東山殿主殿とほぼ同じ平面構成で現代に残る遺構としては本当に重要ですよね。
よくぞ残っていてくれた!って感じですかね
まあ、そんな屁理屈は抜きしても、なんとも独特のすばらしいたたずまい・・・
僕も早速ハガキを出してしまいそうです・・・
投稿: kumaotoko | 2007年4月 3日 (火) 00時42分
ここは、いいっすよね~。
僕にとっては、縁です。
あの広い縁。
柱と軒との関係。
観学院との対比。どっちがどっちか忘れましたがね(笑)
投稿: hiro | 2007年4月 3日 (火) 07時53分
kumaotokoさん おはようございます。
ほんとにすばらしいです。私は数奇屋などの洗練されて線の細い建築より、こんなごつく強い、けど美しい建築が大好きです。
ほんとに残っていてくれて感謝です。
投稿: tatsuro | 2007年4月 3日 (火) 08時13分
hiroさん おはようございます。
そうですよね。広い縁とその先の緑は惚れ惚れしますね。
勧学院とは瓜二つで、建立の時期も1年の差。
僕もほとんど両者の違いを忘れています。
投稿: tatsuro | 2007年4月 3日 (火) 08時15分
みなさんカルトですね。
私には「日本独特の美しさ」しかわかりませんが、それでもよいでしょうか?
投稿: sugioka | 2007年4月 3日 (火) 11時17分
sugiokaさん こんばんは
それ以外の美しさも追求しましょうよ。
私も奮闘します。
投稿: tatsuro | 2007年4月 4日 (水) 20時21分