家づくりは面白い!
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私は家をつくる仕事をしている。
正直言うと,この家づくりは,つらいこと,いらいらすること,憤慨すること,情けないこと,の方が多い。
契約する前はお客様とじっくりお付き合い。焦ってもいけない。でも契約はしなくては。
あせりと沈着。この按配は微妙というか,自律の難しい不安定な状況。
恐らく,お付き合いできるお客様が少なく,動いている現場も少い時には,平静な気分を保てないような気がする。いらいらみたいな気分かな。
ここで自律を失うと,無茶な契約。お客さんを騙して契約。が惹き起こされる。
無茶をしちゃった事はあるけれど,嘘ついて騙してなんてのは決して無い。嘘はありません。
この状況を一歩踏み出すと,今度は,間取りを決める。間取りからおおよその金額をつかむ。この時に正式な見積と大差ないよう,なるべく緻密に積算。
緻密にしたいけどスケジュールの上で,見積期間が限られる。他の仕事もある。でも約束通りに仕上げないと,次のステップへと進めない。ここがまず一つめのつらい仕事なのである。膨大な時間を要する。
次なるは,図面をつくり,正式な見積。ここで二番目の辛い仕事ハードル。大抵の場合は竣工する日が決まり,着工の日も決まっている。実は,この図面と正式積算の期間が短い。往々にして残業。たまにか,多くか,徹夜も辞さずの段階。この年齢では辛いね。
こうやって,やっとのこと,着工。
正直に言おう。ここの時点で,私のエネルギー,殆どを消耗。
だからといって,楽にさせてもらえない。ミスを犯せば建築主からのきつい追求。へまをすれば職人から追求の暴言。工期が遅れば,これまた追求の手。
この段階でつまずいちゃうと,情けないね!と追求。
じゃあ! なんで家を作ってるの。ここまで読んで,楽しいことない。面白くない。
でも,面白い。なんで面白いのか。辛いことばっかなのに。とにかく面白い。
私は作品という言い方は嫌い。人の家を○○が作った作品。この物言いは嫌い。
家は一人でつくるもんじゃない。一人では作れない。多くの人が関る。
でも。また? でも! か。人が多く関るからね,憤慨しちゃうことが起きる。
心ここにあらず,むにゃむにゃと言い訳。失敗は○○が悪いから。いい加減な気持でなんとなくやってる。こんなのを見ると,憤慨。憤慨。怒りに近い。
こんな情けないことがあっても,それでも家をつくりたい。
そう,それでも。どんな,艱難辛苦,無情なことあっても。家をつくる。
不思議だよね。自分でもそう思う。
やっぱり面白いし,あとは色んな勉強出来るから。
営業して,多くのお客さんと接すると,多くの考え方に接近できて,新鮮。
工事中,見積,設計のときも知らないことばかり。自分で調べたり,人に聞いたり。
注目すべきは,人との関りの中で,家づくりは進行する。
人との関りが楽しいと思わせるのかな。
以前は私はこんな人間ではなかった。ように思う。人付き合いはしたくなかった。全部一人で悩んでいたい人間でした。今はというと。まだまだその気配はあるでしょうが。
けれど,人がつくって,人とぶつかって,人が泣き笑いの,そんな家づくりが大好きで面白いです。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
人は一人では生きていけないのですから謙虚に行くしかありませんね。自分中心に地球が廻っているかのように振舞っている人には天誅がくだるのをよく見てきました。神様っていますよね
投稿: ワンマン | 2006年11月12日 (日) 19時07分
ワンマンさん こんばんは
そうです。一人では何にも出来ません。いくら営業成績がよくても,すばらしい家を設計できても,その人一人で作れません。
逆立ちしても,時間あっても,一人では作れません。
鑿使えない,鉋をかけられない,壁は塗れない,発注書は誰が発行するの,お金の流れは誰が管理するの,施工図を書いてる人もいる,もっと密な積算してる人もいる・・・・・
いろんな大勢の人の協力で家は立ち上がります。
でもねえ,自分一人で,というような人いますよね。そうか,天誅がくだりますか。
投稿: tatsuro | 2006年11月12日 (日) 21時51分
こんばんわ、ちしおです。
失敗しないのがプロ、うまくやって当たり前と考えると辛いです。
揺ぎ無い自信と、謙虚さを併せ持てば最高じゃないかと。
昔の自分を見るような感じで拝見しました。
完璧がないから完璧を追い求めたい気持ちと、完璧はないから失敗を公にして人間の証明をする。
そのぐらいで考えられてはいかがでしょう?
投稿: あつき ちしお | 2006年11月15日 (水) 01時16分
ちしおさん こんばんは
励ましのコメントどうもです。
そうなんだよね。仕事してると悩んじゃったり,嬉しかったり,悲しかったりと。毎日喜怒哀楽の連続ですね。
とにかく正直に生きて作っていきたいです。
投稿: tatsuro | 2006年11月15日 (水) 21時56分