漆喰その3(漆喰と珪藻土の違い)
今日は漆喰と珪藻土の違いの話
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漆喰と珪藻土塗り壁の違いは何だろうか。
まず,同じところは
吸放湿性がある。アルカリ性である。
違うところは
漆喰は5000年前から使われている。
珪藻土塗り壁は最近15年くらいで使われだした。
漆喰は漆喰の成分である消石灰が炭酸ガスとして反応し,
自ら固まるメカニズムを有している。
珪藻土は自ら固まらない。ゆえに他の材料を加えて固める必要がある。
固める物としては,セメント,石膏,樹脂などがあげられる。
他にはマグネシウムとにがりによる方法もあるらしい。
”アトピッコハウス”で作っている製品”はいからさん,
はいかさん小町” これがマグネシウムとにがりで固まる。
類似の点は
漆喰の原料の消石灰は石灰岩から造られるが,
この石灰岩は生物の遺骸が化石化した岩石。
珪藻土も海中のプランクトンの死骸が化石化したもの。
吸放湿性はどちらも微細な空隙の効能。微細な空隙に一時的に水蒸気がとどまる事で,その性能が表われる。
珪藻土自体は固まる性格がなく,他の材料を混ぜるが,この材料が微細な穴を覆い隠す事もありえる。
だから,同じ珪藻土といっても,固めるための材料が何なのか,重要な問題である。
樹脂で固めている珪藻土など,樹脂が珪藻土を包み込みその細かい穴をつぶしてしまう。ただ,珪藻土が入ってるだけという代物。これ,意味ない。
この意味のない事が起こってしまうのは,珪藻土は自ら固まらない性質の裏返し。
固めるための材料を吟味したら。吸放湿性に優れた壁材が出来上がる。固まる作用を他の材料に依存するから,珪藻土以外の機能材を混入することも容易。色を付けるために色土,サンゴの粉で色を付けることも容易にできる。
これらを実現したのが,はいからさん,という珪藻土塗り材らしい。
まだ,使った事がないので,らしい,で話を留めるしかないけれど。
漆喰は自ら固まるので,固めるための補助剤は必要ない。
とはいえ,作業性を高めるため,漆喰が固まるまでの間,ある程度は粘着性が必要。
このため,海藻海苔が使われる。
土佐漆喰は海藻海苔さえ必要なく,藁との発酵によって粘着性を実現している。
珪藻土と同じように,この海藻海苔に替えて化学海苔を混入している漆喰も存在しているのも事実。
こんな偽物は自然回帰の家では使ってないので,ご安心を!
珪藻土塗り壁は,漆喰の吸放湿性を現代技術によって珪藻土を借りて実現した左官材料と言えるかもしれない。
漆喰は長い歴史の中で連綿として受け継がれてきた職の世界でしか実現できない。
確かに優れた珪藻土塗り壁は,その機能性も安全性も特筆すべきである。
どちらが機能上勝れているかは,私には力足らずで,今のところわからない。
はっきりと言いたいのは,漆喰でも珪藻土でも,その性能を損なわない本物を見分ける必要がある。
この見分けは家づくりのプロの責務。否,義務。
家を建てようとしている人への説明は,社会的責務でしょう。
私は常にこの責任を貫きたいと思います。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ハイカラさんは良く売り込みに来ています。
うちでは薩摩霧島壁をよく使っています。でも日本人は漆喰のDNAが流れてるような気がしています。見た目が一番落ち着きます。
投稿: ワンマン | 2006年11月 1日 (水) 00時14分
昨日,アトピッコハススの社長さんが来られて説明をしていかれました。3時間の説明でした。奥様がアトピーのようで,化学物質を極限まで追求されている姿勢が伝わりました。この中で,わら床の本物イグサの畳にひかれました。あと,”はいからさん”の固める技術に目を見張りました。
でも? と思います。漆喰をもっと使いたいよね!と,思いました。優れた珪藻土壁と漆喰,最後は心の中の情が決めてであるように思いました。
投稿: tatsuro | 2006年11月 1日 (水) 10時45分